そのに

早々に読書に飽きてしまった。そもそも講義中に読書をするな、という話なのだが。

今日は昨日の続きだ。簡単におさらいすると、恋人と別れた彼の話を聞くのをきっかけに、ほぼ毎日電話が来るようになった、という話だったか。

私は当時付き合っていた恋人とは遠距離恋愛だったため、その恋人とも毎日電話をしていた。だが、その恋人との電話というのは私にとって退屈で仕方がなくて、ストレスになっていた。あの時の私は、それから逃げるように彼と電話していたのかもしれない。

毎日のように電話をするという習慣が、11月中旬から年を越して1月末まで続いた。

その中で何度か「ご飯に行こう」と彼から誘われたりしていた。私はそれを毎回断っていた。私には恋人がいるし、彼は男性で少なからず下心がないとは言いきれないからだった。

でも1月の中旬頃、私は彼の誘いを受けた。ちょうど私の誕生日が近いから、その日に一緒にご飯に行こうと。なぜ誘いを受けたのか、それはもう当時付き合っていた恋人と別れたいと感じていたから。情だけで付き合っているということに私は気づいてしまったから。

気づいてしまったのなら、もう浮気行為だなんだ言われてもいいと思った。相手に下心があったとして、そうなってしまってもいいと自分のことながらどうでもいいと感じた。

若干自暴自棄になっていたのかもしれない。私は考えるのが面倒になっていた。

そんなふわふわとした状態で彼からの誘いを受け、当日。私は彼と夕方の渋谷で待ち合わせをした。